HER2(ハーツー)とは
がん細胞の表面に発現しているタンパク質。発現が強い場合に「HER2陽性」と定義され、HER2陽性の胃がんに対しては、HER2をターゲットとした分子標的薬を標準的な薬物療法として使用できます。
現在、胃がんに対する薬物療法のバイオマーカーとして「HER2」、「CPS」、「MSI」があり、これらのバイオマーカーを参考にしながら治療を決めていきます。
化学療法
・HER2陰性胃がんには「S-1またはカペシタビン+シスプラチン」が、
・HER2陽性胃がんにはトラスツブマブが加わった「S-1またはカペシタビン+シスプラチン+トラスツブマブ」
が標準治療とされています
・シスプラチンと同等の効果を持つ白金製剤で、外来治療が行えるオキサリプラチンが承認されました。
CAPOX療法
(カポックス)
注意すべき副作用
カペシタビン
→手足症候群
- 症状は手のひらや足の裏がチクチクピリピリし、腫れたり変色。
- 患者自身でできることとして保湿が非常に重要
- 1 日 1 回たっぷり塗るよりも、1 日 2 回適量を塗布のほうが保湿効果が高いという報告がある。
オキサリプラチン
→末梢神経障害
- 急性末梢神経障害と慢性末梢神経障害あり。
- 冷感により急性末梢神経障害が誘発されるとの報告があるので 点滴当日から 5 日間は体をできるだけ冷やさない
- オキサリプラチン投与をやめれば 3 ヶ月程度で徐々に回復していくが、数年残存するケースもある。
トラスツズマブ
→インフュージョンリアクリョン
- 投与後24時間以内に多く現れる合併症で発熱、悪寒、筋肉痛、皮疹、倦怠感、頭痛などのインフルエンザ様症状や掻痒感が出現します。
- 規定された前投薬の投与と点滴速度を遵守することが重要である。
※アナフィラキシーでは多くは、顔面紅潮や蕁麻疹がみられます。
参考
https://aizawahospital.jp/aiz/wp-content/uploads/2020/09/gastric_AADC-0134.pdf