From おぺかん

手術室看護師が手術に関係あったりなかったする勉強や日々の備忘録を発信

THA BHA

 

後方プローチ

Posterior Approach(PA

切開筋は

  • 大殿筋
  • 外旋六筋

のため脱臼をしやすい。

脱臼肢位は屈曲+内転+内旋

術後 3 カ月過ぎて関節周囲の軟部組織が安定してくると脱臼率は低下する

※外旋六筋

→梨状筋・上双子筋・内閉鎖筋・下双子筋・外閉鎖筋・大腿方形筋

 

PAのメリット

  • 術野が確保しやすいため、大腿骨の処理が非常にやりやすい
  • 短時間で終了できるため感染等のリスクは低い

 

PAのデメリット

  • 大殿筋を大きく切開するため術後の座位での痛みが出やすい
  • ADL上よくみられる股関節の深屈曲にて後方脱臼のリスク
  • 大殿筋・外旋筋を切開するため、術後の股関節伸展・外旋筋力の低下

外旋筋の縫合

  • ご高齢で活動量も低いと判断された場合は外旋筋は縫合しません。     

  →短時間で終わらせたい事と、活動量の低い高齢者ならば脱臼するほどたくさんは動かない

  →残存する外旋筋は大腿方形筋の一部のみになります。縫合されずにいる外旋筋はやがて萎縮し身体内にて吸収されほとんどが消滅

 

参考

seikeigekagaku.info

https://www.f-wajirohp.jp/storage/uploads/block/202103/20210329_183050.pdf

HER2(ハーツー)胃がん

 

HER2(ハーツー)とは

がん細胞の表面に発現しているタンパク質。発現が強い場合に「HER2陽性」と定義され、HER2陽性の胃がんに対しては、HER2をターゲットとした分子標的薬を標準的な薬物療法として使用できます。

現在、胃がんに対する薬物療法のバイオマーカーとして「HER2」、「CPS」、「MSI」があり、これらのバイオマーカーを参考にしながら治療を決めていきます。

化学療法

切除不能・再発胃がんに対する薬物療法に関して、

・HER2陰性胃がんには「S-1またはカペシタビン+シスプラチン」が、

・HER2陽性胃がんにはトラスツブマブが加わった「S-1またはカペシタビン+シスプラチン+トラスツブマブ

が標準治療とされています

・シスプラチンと同等の効果を持つ白金製剤で、外来治療が行えるオキサリプラチンが承認されました。

 

CAPOX療法

(カポックス)

 

注意すべき副作用

カペシタビン

手足症候群

  • 症状は手のひらや足の裏がチクチクピリピリし、腫れたり変色。
  • 患者自身でできることとして保湿が非常に重要
  • 1 日 1 回たっぷり塗るよりも、1 日 2 回適量を塗布のほうが保湿効果が高いという報告がある。
オキサリプラチン

末梢神経障害

  • 急性末梢神経障害と慢性末梢神経障害あり。
  • 冷感により急性末梢神経障害が誘発されるとの報告があるので 点滴当日から 5 日間は体をできるだけ冷やさない
  • オキサリプラチン投与をやめれば 3 ヶ月程度で徐々に回復していくが、数年残存するケースもある。
トラスツズマブ

インフュージョンリアクリョン

  • 投与後24時間以内に多く現れる合併症で発熱、悪寒、筋肉痛、皮疹、倦怠感、頭痛などのインフルエンザ様症状や掻痒感が出現します。
  • 規定された前投薬の投与と点滴速度を遵守することが重要である。

アナフィラキシーでは多くは、顔面紅潮や蕁麻疹がみられます。

 

参考

p.ono-oncology.jp

www.cancernet.jp

https://www.sasayama.hyo-med.ac.jp/service/support/chemist/pharmacy/regimen/pdf/gastr/CapeOX+Tmab.pdf

navi.towa-oncology.jp

https://aizawahospital.jp/aiz/wp-content/uploads/2020/09/gastric_AADC-0134.pdf

https://www.h-osaki.jp/wp/wp-content/uploads/2014/08/17.CAPOX%E7%99%82%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%AA%AC%E6%98%8E%E7%94%A8%EF%BC%89.pdf

がん進行度 TNM

 

TNM分類

国際対がん連合(UICC)によって定められた悪性腫瘍の進行度を評価する指標の一つです。

3つの因子の詳細な分類方法は各悪性腫瘍によって異なる。

 

腫瘍の広がりや転移の形態が特殊な脳腫瘍、腫瘍を形成しない白血病などの血液悪性腫瘍などではTNM分類は用いない。

 

がんの深達度:T

T1:癌の浸潤が粘膜(M)または粘膜下層(SM)にとどまる
T2:癌の浸潤が固有筋層(MP)に至る
T3:癌の浸潤が漿膜下組織(SS)に至る
T4a:遊離腹腔に露出している(SE)
T4b:癌の浸潤が直接他臓器まで及ぶ(SI)

傍大動脈リンパ節転移

大動脈周囲リンパ節に転移があればM1とな根治を目指した手術の適応外とされている。

化学療法単独での予後は不良。

審査腹腔鏡で腹膜転移を除外した上でS-1+シスプラチン療法による2コースの術前補助化学療法と拡大郭清を伴う胃切除術を行う戦略では53%の5年生存率が得られており拡大郭清に習熟した施設においては有力な選択肢となり得る。

 

参考

kango.mynavi.jp

www.ringe.jp

cancer-c.pref.aichi.jp

www.jgca.jp

www.ymghp.jp

反射

 

DTR:深部腱反射

反射とは、刺激に対して無意識的に(大脳皮質を介さない)反応することである。
脊髄反射は、末梢からの刺激情報が求心路(知覚神経)によって脊髄の反射中枢に達すると、反射的に遠心路(運動神経)を介して支配筋肉にその情報を伝え収縮させる。

 

ex)膝蓋腱反射

腰部脊柱管狭窄症では、一般に下位運動ニューロン障害を生じます。そのため、深部腱反射は減弱・消失し、筋緊張は低下し、筋力が低下します。

腰部脊柱管狭窄症では、前脛骨筋などの筋力低下によって下垂足を示す患者が多いです。

 

・下位運動ニューロン

 手足や顔の骨格筋を動かす神経細胞

 大脳より下にある部位(脳幹や脊髄)にある神経細胞

・上位運動ニューロン

 下位運動ニューロンに指令を出す神経細胞

 運動は一次運動野と言い大脳にある。

 

参考

co-medical.mynavi.jp

pathologycenter.jp

www.kango-roo.com

 

Babinski反射

赤ちゃんの足の裏を刺激すると、足の指が広がる反射です。この反射は、成人においては異常とされますが、赤ちゃんでは正常な神経系の発達を示すものです。

皮質脊髄路(錐体路)は大脳皮質からの長い道のりがあり、Babinski陽性は皮質脊髄路(錐体路)障害の徴候。

 

ex)脊髄損傷

 

 

錐体路障害=上位運動ニューロン障害

 

参考

www.kotsujikolaw.jp

tsuneeet.parallel.jp

内服

 

糖尿病

メトホルミン(ビクアナイト)

ex)メトグルコ

・ヨード造影剤を用いて検査を行う患者においては、本剤の併用により乳酸アシドーシスを起こすことがある。ヨード造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しないこと。(シックデイも休薬)

・肝臓において糖が新しく作られるのを防いだり、筋肉や脂肪に糖を取り込むよう促すことで、血糖値を下げる。

・時折胃腸症状あるが耐性つく。

 

セマグルチド(経口GLP-1受容体作動薬)

ex)リベルサス

インスリンの分泌が促進

・自然に食欲が抑えられ、空腹感を感じにくくなります。

・服用当初は意識障害が起きやすいので、最も少ない容量から服用をはじめます。

整形の言葉

 

MOB 

Multiply Operated Back

(掛ける 操作される 後ろ)

手術をしても治らない腰痛

参考

www.watanabeseikei.com

CDH

cervical disc herniation

(頚椎 板 ヘルニア)

頚椎椎間板ヘルニア

第5・第6の頚椎の間で神経の根本が圧迫されると、肘から先の腕の親指側や、親指や人差し指に痛みやしびれを感じます。

参考

ubie.app

 

TDH

thoracic disc hernia

(胸椎 椎間板 ヘルニア)

胸椎椎間板ヘルニア

LCS

lumbar spinal stenosis

(腰部 脊柱 狭窄)

腰部脊柱管狭窄症

XLIF

Extreme Lateral Interbody Fusion

(過激 側方 椎間体 融合)

腰椎側方椎体間固定術

 

PPS

Percutaneous Pedicle Screw

(経皮的 椎弓根 スクリュー)

経皮的椎弓根スクリュー

 

PLIF

Posterior Lumbar Interbody Fusion

(後方 腰部 椎体間 融合)

腰椎後方椎体間固定術

 

TLIF

transforaminal lumbar interbody fusion

(経椎間孔 腰部 椎体間 融合)

経椎間孔腰椎椎体間固定術

 

DTR

Deep Tendon Reflex

(深部 腱 神経反射)

深部腱反射

 

BBD

Bladder and Bowel Dysfunction

(膀胱 腸 機能不全)

膀胱直腸障害

 

lipomatosis

脂肪腫

参考

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/61/3/61_557/_pdf

 

大動脈解離 ステントグラフト内挿入術

 

解離とは

 

大動脈の血管壁は、内膜・中膜・外膜の三層構造になっています。血液の流れる側が内膜、外側が外膜、内膜と外膜の間にあるのが中膜です。

 

内膜が裂けると、その裂け目から血液が中膜に流れ込み、中膜が膨らみます。この膨らみを「偽腔」)と言い、本来の血液の通り道を「真腔」と言います

 

真腔から偽腔への血液の入り口を「エントリー」、偽腔から真腔への血液の戻り口を「リエントリー)」と呼びます。真腔と偽腔を隔てる血管壁(内膜・中膜)を「フラップ」と呼びます。

 

分類

スタンフォード分類

予後や治療方針の決定に役立つ分類

A型:上行大動脈に解離があるもの

B型:上行大動脈に解離がないもの

 

ドベーキ分類

解離の進展範囲とエントリーの位置によるもの

Ⅰ型

エントリーが上行大動脈にあり、解離が下行大動脈や腹部大動脈にまで及ぶもの

Ⅱ型

エントリーやリエントリーが、上行大動脈や弓部大動脈に納まるもの

Ⅲa型

エントリーが下行大動脈にあり、解離が横隔膜内に及ぶもの

Ⅲb型

エントリーが下行大動脈にあり、解離が横隔膜より下にまで及ぶもの

 

偽腔の種類

 

【偽腔開存型】
エントリーから流入した血液がリエントリーから流出しているタイプで、偽腔の中に血流がある状態です。

【ULP型】

エントリーから偽腔に突出する血流(ULP)は確認できるけれども、流入した血液はリエントリーから流出せず、ほとんどが血栓となっているタイプです。

【偽腔血栓閉塞型】
偽腔が血栓で完全に塞がっていて、血流がないタイプです。

 

偽腔がもたらす血流障害

【大動脈拡張】
大動脈弁閉鎖不全症

大動脈の拡張に伴い広がって、心臓の拡張期にきちんと閉じなくなり、血液が心臓に逆流してしまう

 

嗄声/嚥下障害

反回神経が拡張したコブに圧迫されること生じる。

 

【大動脈破裂】

心タンポナーデ/血胸/出血性のショック

 

【偽腔による圧迫血流障害】
狭心症心筋梗塞、脳虚血、腸管虚血、腎不全、上肢虚血、下肢虚血、脊髄の虚血(症状としては対麻痺)などが起こります。

 

Dynamic obstruction

大動脈レベルにおける真腔圧迫が原因で生じる

大きく開いた エントリーから多量の血流が偽腔に入り込む

 

Static obstruction

分枝レベルで真腔圧迫が生じる

分枝に及んだ解離の遠位端にリエントリーが形成されないために生じる

 



TEVAR

TEVARが絶大な効果を発揮するのはの dynamic obstructionである

ステントグラフトによるエントリー閉鎖によって瞬時に偽腔圧の低下と真腔 圧の上昇が生じ、真腔の圧迫が解除される。

エントリー閉鎖直後にstatic obstructionの生じた分枝の血流を確認し、必要があればただちに分枝内にベア・ステント留置を追加しなければならない。

大動脈径が50mm以上の症例、大動脈径の急速な増大を示す症例は、破裂の危険性が高いため、積極的にTEVARを行う。

 

Landing zone

正常な大動脈の大きさをしている部分とステントグラフト間の接合部分

 

大動脈のほとんどの部位にステントグラフトを内挿することが可能となって
きており左鎖骨下動脈についてはlandingzoneを延長する目的で同動脈をステントグラフトで閉塞することがある。

Zone0は第1枝(腕頭動脈)が閉塞する。
Zone1は第2枝(LCA:左総頚頭動脈)が閉塞する。
Zone2は第3枝(LSA:左鎖骨下動脈)が閉塞する。

 

Landing zoneから考える合併症

zone2Landingの場合
左鎖骨下動脈をカバーする症例では、左上下肢や脳の虚血症状を伴う事はないが、脳梗塞や脊椎神経障害の合併症が多いことも指摘されています。

zone4Landingの場合
アダムキュービッツ動脈や広範囲に肋間動脈をカバーする場合は、脊椎神経障害(対麻痺の合併症が指摘されています。
腹腔動脈閉鎖する場合、血流は上腸間膜動脈を経由した側副血行で灌流されるため腹部臓器・消化管血流に支障をきたす事は少ないが、脊椎神経障害の発生率が上昇すると言われています。

 

予防方法

デブランチTEVAR

zone2Landingの場合、必要時バイパスを追加します。

ex)左右腋窩動脈バイパス

 

予防のポイント4つ

①術中の低血圧の回避(80mmHgより高く維持する。)
②脳脊椎液ドレナージ(CSF)を施行する。
③塩酸ナロキソンを投与する。(48mg/48㏄を1時間2㏄で持続投与する。)
④貧血にならないよいうにする。

 

エンドリーク

ステントグラフトと大動脈接合部からの漏れ

大動脈側枝からの逆流に伴う漏れ

ステントグラフトとステントグラフトの接合部や破損からの漏れ

ステントグラフト自体からの漏れ(porosity leak)

画像上漏れは明らかでないが徐々に動脈瘤が拡大。

Ⅰ・Ⅲは追加治療の対象となる。

 

 

合併症を伴わない急 性B型大動脈解離

βブロッカーを用いた厳格な降圧療法

最大径が 40mmを超える例は遠隔期の大動脈関連有害事象をきたす可能性が高いため積極的にTEVARを行うべきである

 

おすすめHP

nezukoblog.com

 

 

参考

newheart.jp

www.jstage.jst.go.jp

https://ibusuki.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2021/10/20210914shoureikentou.pdf

https://www.yao.tokushukai.or.jp/img/section/cardiovascular/pdf/file4.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/2/99_275/_pdf

nezukoblog.com