From おぺかん

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上腕骨遠位骨端線離開

 

骨端線離開

繰り返し投球動作を行うことで上腕骨近位の骨端線に負担がかかり離れてしまう状態。

骨端線は骨よりも脆弱な組織でできている為骨端線離開は軟骨組織の骨折のようなもの。

弱い軟骨でできている骨端線が少しずつ傷つき、だんだんと弱くなって炎症を起こし、痛みが持続してしまいます。上腕骨の成長障害につながる場合があります。

 

診断

レントゲン撮影で骨端線のズレを確認する。

 

参考

otsuka-seikei.com

 

小児の上腕骨遠位骨折

成長期における上腕骨遠位端骨折は非常に頻度が高い骨折です。その理由は構造的な脆弱性にあります。

腕骨の遠位端は顆(か)と呼ばれ、側面から見ると前方へ弯曲する頂点となり、外力を受けると屈曲力や剪力が働きやすい形状をしています。

 

上腕骨遠位骨端線離開は

  1. 内側上顆骨折
  2. 通顆骨折

の損傷形態になる。

 

骨端核と骨本体との間は、成長が完了するまで骨端線と呼ばれる骨端軟骨が介在します。その骨端軟骨部分の強度が周囲よりも弱いため、外力を受けるとその部分が損傷しやすいのです。この骨端線部分の損傷を骨端線離開といいます。即ち骨端線離開とは骨端軟骨に生じた骨折です。

 

治療

転位の無い骨折では、包帯副子固定。固定期間は約3週程度。

転位の有る骨折では、整復処置。

また、手術により金属を使った内固定を施行している場合は、骨癒合が完成されてから、内固定を除去。

 

合併症

内反肘

整復が不十分で捻転転位や側方転位が残った場合に起こりやすい変形です。

内反肘変形は小児上腕骨頼上骨折後に発生することが多く機能上および整容上の問題点 有するばかりでなく肘安定性も問題となるらには遅発性尺骨神経麻療の発症も近年報告されている 。すでに発生した内反肘変形には保存的治療や自然矯正を期待できないので、矯正骨切り術が必要となる。

骨切り手術

http://www.jpoa.org/mag/vol16-2/265-268.pdf

 

 

屈曲障害

整復時の転位除去の確認と固定期間中の骨折部の観察が重要

 

参考

www.judo-akimoto.com