仙骨会陰式肛門形成の予習
鎖肛とは
肛門がうまくつくられなかった病気でお尻に肛門が空いていないものや瘻孔となっている。
消化管先天異常で最も多い。
直腸や膀胱、尿管、子宮、膣と繋がり瘻孔を形成している場合がある。
病型
病型によって治療方針が決まる
直腸末端の位置による分類
- 低位型
- 中間位型
- 高位型
期待できる効果・代替治療
手術以外に肛門形成を行う方法はなし。自力排便できず腹部膨満や嘔吐、腸炎が持続し死に至ることもある。
手術を行えばストマ閉鎖術を施工した後自力で排便が行える。
術前
病型診断と電気刺激装置を用いて肛門周囲の筋肉の分布を確認し本来の肛門窩を確認。
治療方法(中間型・高位型)
人工肛門造設
低位型と比較して肛門括約筋が未熟のためまずは新生児期にストマ造設し排便できるようにする。
ストマは肛門形成後1−2ヶ月に閉鎖する。形成したばかりの肛門を汚染させない為。
肛門形成(仙骨会陰意識肛門形成)
・膀胱鏡 内視鏡
膀胱瘻、尿管瘻の観察や否定を行うため実施。
腸管盲端観察の為ストマ肛門側から内視鏡を腸管内に挿入し観察しながら処理。
・体位固定 マーキング
尿カテ留置
直腸剥離時のランドルトマークになる。
ジャックナイフ位にする
ストマがあるので圧迫に留意する。
マーキング
電気刺激により外肛門括約筋の収縮を皮膚より確認。
・直腸へ到達し盲端切離
仙骨後面から肛門形成予定部3㌢辺りまで切開。
直腸後面に達する。
直腸を全周に剥離を行いテープをかける。(ストマ肛門側に挿入したEDチューブや尿カテを参考に腸管を同定する)
・瘻孔の切断
瘻孔を貫通結紮し切断する。
無瘻孔型では直腸が細くなったところで切除する(同様に貫通結紮)
直腸盲端が肛門部まで十分に引き下ろせるか確認。
腸管に0,3,6,9時方向に把持糸掛ける(4-0PDS)
・貫通経路の作成 肛門形成
肛門窩を切開。
直腸恥骨筋に刺激装置を当てて収縮をみられたところに直角鉗子(食道鉗子など)をすすめペンローズ8号を入れる。
ペンローズ内をHegar拡張でブジーを行い(7〜14号)貫通経路の皮下を拡張する。
肛門窩からペンローズ越しに把持糸を鉗子で掴み腸管を下ろす。
肛門と腸管を吻合。(4-0Vicryl)
ステントチューブを経肛門的に留置(8Frネラトンにバラマイ軟膏)(創部の安静の為)
術後
吻合部狭窄
腸管肛門の吻合部が狭くなるためブジーを行っていく。
肛門粘膜脱
括約筋の発達が良くないと粘膜が脱出する。
人工肛門閉鎖
肛門形成1−2ヶ月後問題がなければ閉鎖手術を行う。これで初めて排便が行える。
浣腸
まとまった便が出るように行う。
排便管理
高位鎖肛ほど先天的に括約筋が弱いため排便訓練が必要。
確認
体温管理方法
膀胱鏡挿入時の体位固定
尿カテサイズ
内視鏡器械
刺激装置器械
ジャックナイフ体位固定
参考